2016年11月21日月曜日

アセットアロケーションの見直し

このエントリーをはてなブックマークに追加
以前紹介したように現在の目標アセットアロケーションは、国内株式30%、外国債券30%、外国株式30%、J-REIT10%である。外貨比率が60%と高目なため、今年の変動の激しい為替相場に翻弄されることになった。
最初は50%だった外貨比率を60%に増やしたのは、2011年10月に1ドル75円台まで円高が進んだときに為替差益を得るためだったので、すでに目的は果たしている。そこで外貨比率を50%以下に下げることにした。

現在の目標アセットアロケーションは恣意的に決めたもので、リスクに対してリターンが最大になるよう最適化されていない。今回は、以前紹介した最適なアセットアロケーションを求めるスプレッドシートを使って、最適化しつつ外貨比率を下げることを考える。

期待リターンとリスクおよび相関係数を見直す

そのスプレッドシートに設定されている、最適化の前提となる各資産の期待リターンとリスクおよび相関係数は、J-REITに対応していなかったり、元にしているデータが古かったりするので見直す必要がある。

まず期待リターンについては、「株式・債券・REITの期待リターン、シャープレシオまとめ」のものを使用する。J-REITに対応しているし、算出方法(株式・債券REIT)にも違和感がない。

リスクと相関係数については、各資産に実際に割り当てる投資信託の月次リターンから算出する。投資信託の月次リターンは、モーニングスターの各銘柄のチャートから「リターンデータダウンロード」へ進むとダウンロードできる。

国内株式については「ひふみ投信」のデータを、他の資産についてはSMTシリーズのインデックスファンドのデータを用いる。現在は外国株式にAvest-Eを割り当てているが、ここ数年振るわないのでインデックスファンドに切り替える。

ひふみ投信の設定は2008年10月、SMTシリーズは2008年2月なので、データは2008年10月からそろう。しかし、2008年10月はリーマンショックの影響で他のファンドが暴落する中、設定間もないひふみ投信は影響をほとんど受けていない。このことがリスクと相関係数に大きく影響するので、10月を外して2008年11月から直近の2016年10月のデータで算出する。

こうして得られた数値を、上述のスプレッドシートに設定したものを用意した。このスプレッドシートに、許容できるリスクを入力して最適化を実行すると、各資産の期待リターン、リスク、相関係数の下での最適なアセットアロケーションが求まる。

最適なアセットアロケーションを求める

このスプレッドシートを使って、現在の目標アセットアロケーションと同じリスクで最適なものを求めてみる。まず、D3~D7に現在のアセットアロケーションを入力すると、その評価としてリスク12.48%、期待リターン4.55%、シャープレシオ0.364が得られる。

この現在のリスク12.48%をA16に入力して、「リスクに基づく最適化」を実行すると以下のような最適なアセットアロケーションが得られる。ただし、国内債券を割り当てたくないので、国内債券とその他の期待リターンを-10%に変更してから最適化している。
この結果に従うと外国債券が30%から21.4%に減るが、外国債券は株式が暴落したときの下支えになるので、もう少し増やしたい。

そこで、この結果を5%単位で丸めつつ端数を外国債券に寄せると、ひふみ投信35%、外国債券25%、外国株式20%、J-REIT 20%となる。これを評価すると、リスク12.25%、期待リターン4.58%、シャープレシオ0.373となる。

シャープレシオは最適な結果とほぼ変わらず(0.374→0.373)、現在より低リスク(12.48%→12.25%)で若干高リターン(4.55%→4.58%)なアセットアロケーションを導けた。外貨比率も45%と下がるので、これを来年からの目標アセットアロケーションとする。

0 件のコメント:

コメントを投稿