2023年9月16日土曜日

ひふみ投信やめようかなあ

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一昨年に決めたアセットアロケーションにあるように、ひふみ投信は35%と最も高い比率を占めている。アセットアロケーションはデータを元に計算で決めているが、ひふみ投信の35%についてはある程度恣意性が入っている。それは、ひふみ投信の運用方針と、ファンドマネージャーの藤野さんを気に入っているからだ。

しかし、直近の運用成績はとても残念な結果になっている。これは2023年8月の運用レポートにあった直近の運用成績である。ここ3年のトータルリターンでTOPIX(配当込み) 54.92%に対して19.42%と劣後しているだけでなく、今年に入っても負け続けてる。


3年のトータルリターンがすぐれない理由は二点ある。一点目は、2021年にコロナ後を見据えて旅行業界等に軸足を移したのが早すぎたこと。二点目は、2022年のロシアのウクライナ侵攻で中小型株が暴落した影響をまともに受けたことである。これが起因で一日で9%下がった日があった。

東日本大震災の混乱に乗じて大きな超過リターンを出した藤野さんが、ウクライナ侵攻でうまく立ち回ることができなかったのは、純資産総額の肥大化が影響したと考えている。2017年2月にカンブリア宮殿で紹介されたことで、2011年当時と比べて純資産総額は一年で5倍以上膨れ上がっている。


純資産額が膨れ上がった結果、成績が落ちた投資信託として記憶に新しい?のがJPM ザ・ジャパンである。

JPM ザ・ジャパンは2013年に当時の好成績から人気が高まり、大きなニュースになるほど純資産総額が一気に膨れ上がった(その当時を伝えるブログ記事)。その結果、パフォーマンスが大幅に落ちて失望売りされた。

中小型株に投資する投資信託は、時価総額が少ない銘柄を売買しているので、大きく投資すると自分の売買が株価に大きな影響を与えてしまう。そのため、投資額にははおのずと限界が生じる。

2017年に純資産総額が膨れ上がったひふみ投信は、大型株の組み入れ比率を増やすことでこれに対応した。2017年1月の運用報告書にある組み入れ銘柄上位10位は9銘柄までが中小型株だったが、2018年1月点の運用報告書ではすべてが大型株に、しかもトップ2はAMZNとMSFTだった。いやこれもう別のファンドだろ。

ひふみ投信に見切りをつけることを最初に考えたのはこのタイミングだった。しかし、2018年の結果はかんばしくなかったものの、純資産総額の増加の悪影響と考えられるような要因はなく、2019年、2020年と好成績を収めてきたので、引き続き保有を続けてきた。


今日になって、ひふみ投信をやめることを考えている理由は二つある。一つは特に理由もなく今年はTOPIX(配当込み)に負け続けていること。もう一つは8月の運用レポートで、運用方針の変更をにおわせていることだ。ひふみ投信の魅力の一つは機動的な売買だと思っているのだが、それがなくなっていくようにも読める。

ひふみ投信の運用をより長期視点で投資を行ない、10年目線の投資 をする方向にこれから大きく変えていこうと考えています。ひふみ投 信は経営者との対話や長期の目線での投資を行なってきましたが、さ らに10年の目線で企業の成長を判断し、よりよい会社に長期投資の目 線で投資をすることを一層大胆に行なっていくことを考えています。

しかし乗り換えるにしても、ひふみ投信の含み益はかなり大きく、売却益への課税が馬鹿にならない。将来のリターンに大きく影響するほどの額である。ひふみ投信を全部売り払って他の投信に乗り換えるには、大きな決断が必要になる。

過去に、海外株をアクティブファンドからインデックスファンドに乗り換えたことがある。そのときも課税が馬鹿にならなかったが、断腸の思いで遂行した結果、それに見合うリターンを得ることに成功した。今回もそうするべきなのか悩ましい。

2021年12月25日土曜日

アセットアロケーションの見直し2021

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2016年に策定したアセットアロケーションはこんな感じ。5年たったので見直すことにした。

今回策定に使ったExcelシートはこれ。前回リスクと相関係数の計算に使った各資産の直近8年の月別リターンを直近10年に入れ替えたのと、期待リターンを見直した。

2016年版

2021年版

期待リターンを見直したのは、GPIFの想定している期待リターンと乖離が大きかったからだ。特に国内株式と外国株式については大きな乖離となっていた。


そこで今回はGPIFの数字を元に設定した。外国株式と外国債券は投資信託の手数料分0.1%を控除し、ひふみ投信は手数料控除後で0.2%の超過リターンがあるものとした。

ひふみ投信は感覚的に35%程度の割り当てが妥当だと考えていて、最適化したときにそうなるように期待リターンを恣意的に設定した。5.8%は保守的な数字だと思っている。J-REITについては特に変更する材料がないので5%のままとした。

このシートを使って、前回と同じリスク12.48%でアセットアロケーションを計算した結果は以下の通りである。


前回は、計算結果から外国債券の割合を恣意的に5%高める操作を行ったが、今回はそれはしない。この計算結果は、外国債券はほかの資産との相関が高く、リスク低減の役にあまり立たないことを表している。

計算結果の数字をきりがよいところに丸めた結果が以下の通り。今後5年はこの割合で運用する。



2017年1月15日日曜日

2016年の運用成績

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比率 年初来
日本株式 35.1% 4.1%
J-REIT 20.2% 10.8%
外国株式 19.9% -0.1%
外国債券 24.9% -4.5%
現金 0.0% n/a
合計 100.0% -0.1%
2016年は上海市場の暴落に端を発する世界同時株安から始まり、6月にはBrexitによる円高株安で-11.8%まで損失が拡大した。11月からのトランプ相場で一気に戻したものの、米国の金利上昇による債券の下落はいかんともしがたく、全体としては-0.1%で着地した。

リバランスを年末に行ったので、比率は新たなアセットアロケーションに基づくものになっている。リバランスの際に、Avest-EからSMTグローバル株式インデックスへの移行を行い、後者の買い付けの一部に今年のNISA枠を使った。Avest-Eを売却したときに売却益に課税されたため、売却額に対して5.1%の損失が出ている。

SMTグローバル株式インデックスの設定来のリターンは+59.7%で、同期間のAvest-Eのリターンは+63.7%である。ただし、これは分配金をすべて再投資した場合の数字だ。Avest-Eは分配金が多く、課税により再投資額が大きく目減りするので、それを考慮するとリターンは+53.8%まで下がる。

SMTグローバル株式インデックスの設定来のリスクは21.9%なのに対して、 同期間のAvest-Eのリスクは25.0%とかなり高い。リスクが高いのにリターンの低い投資信託から移行するためなので、一時的に損失が出るのもやむをえなかったのかなと。

2016年11月21日月曜日

アセットアロケーションの見直し

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以前紹介したように現在の目標アセットアロケーションは、国内株式30%、外国債券30%、外国株式30%、J-REIT10%である。外貨比率が60%と高目なため、今年の変動の激しい為替相場に翻弄されることになった。
最初は50%だった外貨比率を60%に増やしたのは、2011年10月に1ドル75円台まで円高が進んだときに為替差益を得るためだったので、すでに目的は果たしている。そこで外貨比率を50%以下に下げることにした。

現在の目標アセットアロケーションは恣意的に決めたもので、リスクに対してリターンが最大になるよう最適化されていない。今回は、以前紹介した最適なアセットアロケーションを求めるスプレッドシートを使って、最適化しつつ外貨比率を下げることを考える。