2012年12月4日火曜日

インデックスファンドとアクティブファンド

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投資信託のほとんどはインデックスファンドかアクティブファンドのどちらかに分類できる。インデックスファンドは、株式市場や債券市場を評価する指数に基準価額が連動するように資産を運用する。アクティブファンドは指数を上回るリターンが得られるように資産を運用する。いずれにせよ指数が資産運用の基準となる。

日本の株式市場の代表的な指数はTOPIXと日経平均株価である。TOPIXは東証一部上場企業の株価全体を評価するために、東京証券取引所が算出している。日経平均株価は東証一部上場の代表的な企業の株価を評価するために、日経新聞社が算出している。ほかにも世界中の市場を評価する様々な指数があり、株式取引所、指数を算出する専門会社、格付け会社、資産運用会社などが算出している。

インデックスファンドの利点は運用コストが低いことである。指数の算出方法に合わせて対象の株式や債券を運用資産に組み入れるだけで、基準価額を指数に連動させられる。実際にはコストを下げるために、指数の算出対象の銘柄よりも少ない銘柄で運用している。アクティブファンドは市場の調査分析を行い、リターンが指数を上回るように資産を運用する。その調査分析のためにコストが掛かる。

投資信託の運用コストは購入者(受益者)が支払う信託報酬に含まれている。たとえば、TOPIXに連動するインデックスファンドのSMT TOPIXインデックス・オープンの信託報酬は、わずか年率0.3885%である。それに対してTOPIX(配当込み)を上回るよう運用しているアクティブファンドのJFザ・ジャパンは年率1.785%だ。アクティブファンドのリターンが指数を大きく上回れば信託報酬の差は問題にならない。しかし、アクティブファンドが長期間にわたって指数を上回るリターンを上げることはないとされている。

なぜアクティブファンドが指数に勝てないかは、敗者のゲームウォール街のランダムウォーカーに詳しく説明されているので、どちらかを読んでほしい。インデックスファンドが有利な理由を知りたいだけなら前者をお勧めする。後者はインデックスファンドが有利という結論に至るまでが長いが、読み物としてはとても面白い。長期分散投資家はたいていこのどちらかを読んでおり、インデックスファンドがベストだと考えている。

私は、株式についてはアクティブファンドが指数に勝つ余地があると考えている。たとえば朝日Nvestグローバル バリュー株オープンは、外国株式の指数MSCIコクサイを上回るリターンを長期間上げている。私の海外株式のポートフォリオは、すべてこの投資信託である。私はこの投資信託の運用方針をとても気に入っており、毎年の運用報告書を楽しみにしている。

TOPIXや日経平均株価には、株価の低迷が著しく当分回復の見込みもない企業が多数含まれている。適切な銘柄選別によって、これらの指数を上回るリターンを上げるのは容易だと私は考えている。指数を上回るリターンを上げている日本株式のアクティブファンドはいくつかあるが、私は個別銘柄を自分で売買して指数を上回るリターンを目指している。

敗者のゲームやウォール街のランダムウォーカーには、銘柄選別によって指数を上回るリターンを上げるのが困難であることが示されている。株式ならアクティブファンドに勝ち目があるという私の考えは、将来的に誤りだったと思い知らされる可能性もある。しかし私は楽しく資産運用をしたいので、自分の好みと合うアクティブファンを組み入れたり、個別株を運用したりしている。

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